4日の朝は、早起きして電車でGo 一路神田駅に向かいました。
8時に神田駅についていましたが、そこから友達が宿泊しているホテルにまず向かって、前日に預けておいたポスターや荷物を受け取りました。ラッシュ時に大きな荷物は他の方に「ジロッ」と見られてしまうかなとおもって、昨晩頼んで置かせてもらっていたのです。
会場に移動して、急いでポスター貼付。
隣は以前の発表の時にも隣りあわせだったことがある東京歯科の神尾先生の発表。CTデータをダイコムビューワーを操作して観察することはそれなりに技術を要しますので、ラピッドプロトタイピング技術を応用して三次元実体化して観察を行おうという取り組みはかなり以前から行われてきています。
近年、パーソナル3Dプリンターという形でラピッドプロトタイピングは身近なものとなってきました。業務用の高機能なマシンでのモデリングも良いのですが、時間やコストの問題があります。患者さんの為の技術といっても、できたら安値に作業を進めてあげたいものです。また、簡単に作業が出来るワークフローも工夫したいところです。
ということで、実際、市販のシステムを利用してみたらどうだろうかって言う発表でした。足元のオレンジ色の物体が試作された実体モデルです。

この写真は朝いち、ポスターを貼ったあとで自分の発表の機械を見ているところを神尾先生がとってくれた写真ですね。
私の発表は zSpace を 用いて歯列模型やCTのデータを表示して操作するって言うものでした。従来のモデリングソフトウェア上で 三次元データをマウスを用いて操作するのは実は相当難しいものでした。 皆さん、コンピューターで操作をするっていうと、実際に手で作業を行うよりも簡単に正確に行えるものとばかり期待されますが、まったくそうではありません。
パソコンモニターは平らな2次元でしかないので、奥行きがわからないものです。模型を手にとって観察している時は、両目で立体視認識をしていますし、手を動かし、頭も動かせるので同じ方向から模型を見ているつもりでも脳内では細かく視点を変更している多方向からの観察データが自動的に統合されていて、それで立体的形状を把握しているものです。
頭の動き方にあわせて、視点を変更することを人間は無意識に行っています。そのような状況をとても「自然」に感じます。逆に、モニターに写っているデータがいくら正確であっても、自分が動いても模型の表示がまったく変わらないことや、右目と左目に同じ像が写っていることは実は「不自然」なことです。
その点をいかにして補い、データを活用していくかと言うのが プロフェッショナルの腕と言うところでしょうか。
写真は隣のポスター発表の古谷 忠典先生と、顎運動計測機械などを取り扱っているインターリハという会社の宮本さんが zSpaceを 体感したあとで活用方法などについてアイデアを話しているところを撮らせて貰いました。
そうそう、今週はビッグサイトで 日本ものづくりワールドが開催されます。その催しの中に第23回の3D&バーチャルリアリティー展もあります。 私にとっても10年来恒例となっている参加ですが、VR業界で一番良くお話をさせていただいてきたクレッセントさん(小谷 創社長)と インターリハさんは 同じバイコンのシステムを取り扱っていらっしゃると言うことで、近しい関係でした!!
今回は会場が狭いことから、ポスター発表は2日連続ではなく、1日だけで張替え、質疑応答もその日の午後に行うというタイムスケジュールでした。会場が狭いこともあり、多くの先生方がポスター前を通られます。

隣は医科歯科大学では1矯正という隣の科に所属されていた先輩の黒田 勝也先生。 http://kuroda-kyousei.com/a-incyou.html
あざみの駅で クロダ矯正歯科 の 院長先生です。 ホームページからリンクになっているドクターズファイルの黒田先生紹介ページはこちら http://doctorsfile.jp/h/10863/df/1/
朝一は知人や研究仲間に見てもらおうと、場所が無いので床上でモニターをつないで体験してアイデアをもらっていたのですが、そうしたところ「ねえねえ、僕の後輩なんだけど、見せてあげてくれるかな?」と知人の先生が向学のためにと若い先生を連れてきてくださったり、「これなんですか」という感じでのぞかれる方々にはせっかくのチャンスでしょうからと、眼鏡をかけてもらってデモをしていたら、いつのまにか午後になってしまっていました。
で、すぐに質疑応答に

こんな感じで説明を進めていたのですが、立体視するための眼鏡をかけなければ、その意味合いは伝わらないものですので、とても小さいポスターではお伝えし切れなかったと反省することしかり。

ポスターじゃもったいない、口演でやればよかったのにーと数人の先生方にあとで言われました。
まあ、その場合3D対応のプロジェクターと、視聴者人数に合わせるだけの3D眼鏡を準備しなければならないので、それだとアイマックスシアターを借りたほうが早いかもっていうくらい準備が大変なので、辞退しております。
でも、そのような機材も数と消費のバランスからどんどん安価になってきているので、来年当たりならばシステムレンタルを個人で準備できるくらいになっているかもしれません。
そうしたら、皆さんの期待にこたえ、口演発表?? いや、個人では大変すぎるなあ、、、。などと悩む次第。
質疑の進行は、医科歯科の先輩でもある ふかわ矯正歯科の 府川 俊彦先生。http://doctorsfile.jp/h/127794/df/1/
先日開催されていた日本口蓋裂学会のときに、zSpace は試用していただいていましたので、質疑の案内もスムーズにしていただけました。
神奈川で口蓋裂治療と言うと、大船の府川先生か海老名の石渡先生か、横浜の平川先生といった先生方の発表が多く認められます。いずれの先生方も気さくに相談に乗ってくださるやさしい先生方です。やはり、治療内容にご不安を多くもたれるご家族の方々とも接されているものですので、そういった配慮が身につくものなのでしょうか。尊敬しています。
その府川先生の進行ですが、「えー、ポスターだけでは中々わかりにくいですが、非常にマニアックと言うか先端の発表となりますので、質問は難しいでしょうかね。 私も先日使用して見ましたが、ちょっとチカチカする感じが難しいなあと思いました」という感じにご案内いただきました。
ははは、そうなんですよね。ポスターの出来が悪いのをフォローしていただいた状況です。
他にも「現状ではどのようなシステムなのですか?」という問いも出していただいたのですが、

「現状では歯科や口腔外科専用としてのシステムは日本国内では特に確立はしておりません。ダイコムビューワーやモデリングソフトウェアの表示モニターとしてのシステム構築が今後行われることで従来のシステムの理解度、活用度が高まることが期待されます。また、システム開発はこれからですので、何をどう分析したいのかと言う目的があれば、開発者にオーダーをしてシステム構築をすればこれから何でも出来ます。」という返事をさせていただいています。
とはいいつつも、モニター表示用の基本ソフトウェアにSTLデータを投げ込んでのデモンストレーションだけでも非常に高評価を出される専門家の方が多くありました。臨床研究の方はもちろんなのですが、実際に執刀をされているドクターの方々の評価が高かったようです。
日ごろ、プリントされたフィルム上での3Dモデルの平行投影像とオペ中の実際の骨形態の差異を多く体感されてきているのでしょう。zSpaceでは視点変更に伴う中心投影像が脳内で立体認識されますので、いわゆる日常の三次元空間で私たちが見ている画像と同じ像なので、「本物っぽい」と感じられているのではないかと推察されました。

次の発表は ユニ矯正歯科の理事長 茶谷 仁史先生 マイクを持っている先生ですね。
こういった雰囲気で質疑は次々に進んでいきます。
その後、少し落ち着いた会場で今回の共同演者の先生とスナップを

上の写真で私の反対側にいるのが プロCTイメージング ならびに プロ矯正歯科の 田中憲男先生です。 ブログ更新をものすごい勢いでされている先生です。お時間あれば見に行って、ぽちっと 押してください。マニアックに感じられるかもしれませんが、まじめに熱い先生だと思います。
ドクターズファイルの紹介は http://doctorsfile.jp/h/36154/df/1/
ブログはこっちかな http://blog.livedoor.jp/pro6777/archives/2015-06.html

こっちの写真で私の反対側にいる古谷 忠典先生がすぐに気がつく人で、「これこれ!これかけないと♪」っていって3D眼鏡を装着してのスナップ
・
・
・
あやしい3人組になってしまいますね。 となりのP−1−4の神尾先生の顔写真が、心なしかしらーーーっと見つめているようにも思えたりして、、、
そういえば、質疑最中にハプニングもありましたっけ。某大変親しくさせていただいている先生が、モニターを試用しようと(使用しようと も OK 試用使用とだと、用が重なるから言葉選びがいまひとつか、、、うーん) 3D眼鏡をかけようとしたのですが、
なんと、手に持っていた缶コーヒーに中身が残っていたのです!!!
で、 コーヒーがあ〜〜〜〜〜〜〜〜 キーボードの上にぼだだだだ
不幸中の幸いとして、キーボード表面には防汚のフィルムを張っていたので中には入りませんでした。
まあ、丁度ウェットタオルなどもあったので、モニター機械類も無事でしたし、その先生のスーツなどもすぐ拭いたので大丈夫だったと思われます。
そんなこともありましたので、質疑終わって、片そうかなあと思うのですが、最後の方になってから運営をされていた方々がやっと手が空いたのか、若手の先生方が次から次から「見せてください」と声をかけてきてくださりましたので非常に多くの先生方がシステムを体感されました。
この経験が基になって、10年、20年後の医療システムの向上にどこかでつながることでしょう。
非常に有意義な内容であったと思います。モニターが24インチ(23.6)もあるので、スーツケースいっぱいになってしまうのが大変です。しまって、ごろごろ転がしながら考えます。

「10年先を行ってるからね、10年後にきっと評価されるよ!」とほめ言葉と慰めのまじった暖かい親身な評価を頂くこともあります。
ああ、でも、同じことを言われ続けて15年とか過ぎちゃってる気がします。医療の発展はなかなかスロースターターですが、今回のシステムは今後複数のコンピューター会社から発売の可能性もあり、いっきに普及する可能性があるので、ちょっと期待できますね。
今週のバーチャルリアリティー展では、さらなる進化に出会えるといいなあ!