
今回、埋伏歯について考えていますが、「どうして埋伏してしまうのだろうか?」と考えることは「どうやって犬歯は生えてくるものなのだろうか?」を考えることにつながりますね。

このレントゲンには上顎両側の3番だけでなく、下顎両側の7番も8番も埋伏となりそうな状況がうかがわれます。この上顎3番は、果たしてどこに向かっているのでしょうか?

本来の位置に行くように青い線なのか、斜めに黄色なのか、後ろに下がる赤の線なのか、、、
小視野3D−CTを用いて精査を行ってきたところ、緑の点のように、生えて来るべきルート「歯導帯」という構造があると考えられるそうです。
この歯導帯がなんらかの理由で曲がってしまったり、行き止まりとなってしまったりすると、犬歯が道に迷ってしまうのではないだろうかというスペキュレーションを立て、その視点で資料を精査し、検討、検証を行っている。

この3D表示は3DXではなく、256のMDCTから作成しています。参考パントモのデータの症例ですが、非常に緊密な画像が得られていますね。骨表面の凹凸が見て取れます。
上顎犬歯の歯冠回転状況もわかりやすいでしょう。

下顎右側の皮質骨をカットして、骨内の歯肺の位置関係を示しました。断層撮影であるパントモよりも、埋伏傾向が重篤な問題であることが明瞭になります

同じく下顎左側です。CTは単純に断層を見るだけでなく、立体構築も行い、様々な視点から利用しますと非常に高価値ですが、あくまでレントゲンの検査であることを忘れてはなりません。
「モッタイナイ」Byわんがりまーたいサン ではないですが、せっかく撮影したのであれば、単純断層画像をさっと見るだけでなく、CT値の調整や反転画像での再チェック、三次元構築、軟組織描写なども可能でありかつ必要があれば行い、得られた知見は患者さんならびに医療全体に還元していきたいものです。
CBCTももちろん高性能なんですが、近年のMDCTは、本当にきれいなデータが得られます。個人的には軟組織の描写やCT値再現性から調整が安定しているMDCTの方が好みです。
以前の学会からちらっと
CTのデータに 歯列模型の3Dスキャンデータを統合させ
バーチャル空間へ没入して、状況確認を行う
そんなこと、現実に出来てるんです
そんな時代を創るのは、決して大学などの研究機関だけの役割ではなく、私たちであり、患者さんたちであるという意識が大切でしょう。

ということで、意味無く(いや意味はある)京都にあります nichicon 社の 看板ならびに会社情報
http://www.nichicon.co.jp/company/com_history.html
コンデンサなど、はやぶさにも搭載されたなどの情報がありますね
エネルギーは 「省エネ」 だけでなく 「創エネ」 ってことで 創の題字なのでしょう。

果たして、ここはどこだかわかりますか?
これももしかして、武田氏ですかな?と思ったが

んー 違うかな
2016年の東京矯正歯科学会 秋季セミナーの備忘録は 以上です