
この学会は形成外科、脳神経科、整形外科、放射線科などの主管で行われてきていましたが、今回は歯科が主管でした。

こちらの方が大会長の 昭和大学 槇 宏太郎先生です。
閉会の言葉ですが、「まだ小さい会ですが、この学会が医学全体のブレークスルーになれば」という意味合いのことをお話してくださいました。
私も、いつのまにかコンピューターを良く使うようになり、三次元的な評価を日常の事とするようになっていましたので、この大会にも発表を出させていただきました。

今回の発表はこんな感じのレイアウトです。
さて、コンピューターを使ってシミュレーションをすることで、何が変わってくるのでしょうか?
そのような研究をしていると、「最先端だ」とか「技術力がありそうだから」という前向きな評価と「機械的な仕事しかしなそう」や「平均的技術を目指していて、向上しないのでは」という誤解をもたれているのではないかと心配することがあります。
しかし、シミュレーションを行うという考え方は技術をより客観評価することの基本となるもので、先人にとっては自分を律し、新技術をより客観的に評価することにつながるものです。
新人にとっては先人の知識をより客観的に吸収しやすくし、早期に一定水準に達することを手助けします。
そうすることで医学の技術は客観的に向上しやすい環境となるばかりでなく、新人に人としての時間を作る手助けとなり、人間力を高めることが出来るのではないかと期待しています。
コンピューターによるシミュレーションは、硬い考え方を生み出そうとしているのではなく、無駄な修行時間を減らして、人と人が接する時間をより長く生み出そうという考えで私は捉えています。
機械を利用したから安価な大量生産が出来るという事とはまったく異なります。
今現在の自分には時間はまだ得られていません。自分が研究をすることで、ただ時間は減っていきます。家族にも申し訳ないと思うことが多くあります。まあ、今後も難しいかもしれません。
しかし、客観的な評価をしなければ、将来の医療、とりわけ歯科の水準は低下することが間違いなく、人間力も間違いなく低下してきています。いま、やらなければいけないことなのでがんばっています。
医学の技術は現在も向上していますが、ドクターの社会的立場や社会環境、保険制度も含めて考えると既に臨床医学は退化傾向にあると思います。
難しいことかもしれませんが、その危険性を皆に認識してほしいと考えます。