
まず、すごいのがこのスクリーンです。
今、PCでプレゼンをするのは当たり前でしょうが、このフルハイビジョン対応のプロジェクターがものすごく明るく、見やすいこと。
それから、ドクターが持ってきたPCの出力を出すだけでなく(右三分の二)、演者を撮影しているカメラ情報も載せ(左上)、詳細情報も左下に載せるということをやっているのです。
見ていると、画面分割比率は任意の様子で、通常の画像出力の4倍以上を処理していることが見受けられます。
で、会場の設備もよいのですが、シンポジウムの内容も面白かったです。

まず、「発音発言 工学からみた発音発言」というご講演をされた誉田 雅彰先生です。
http://www.f.waseda.jp/hon/hon.htm
こちらはご教室のURLです。
音声を分析し、合成し、電気的にスピーカーから出力することに関しては十分に進んでいるのですが、実際に人間が発声しているように空気とその流れから調節するシミュレーション機械についてはまだまだ研究の余地があるとの状況をお示しくださいました。
音声の認知に関しては、やはり耳から聞いて覚えること、それから聞きながらしゃべることのフィードバックが重要であるとの基礎的な話、顎運動舌運動をレントゲンを用いずに解析している事に関しては感銘を受けました。
歯科医科であればCT,MRI,X線ビデオなどさまざまな手法での内部の形態解析が可能で、多くの発表がなされています。
それに対して理工学系では医療技術を用いずに研究を進めているので、非常に困難があるということを見受けられました。
しかしながら、その研究成果はすばらしいもので感動しました。それと同時に、医療技術を用いることが出来る歯科医科の分野での発表内容は工学的な分析検討が技術的にも時間的にも能力としてもまだ不十分であり、「もったいない」と思う面がありました。
やはり、理工学系と医科はもっと共同して研究が出来ればよいのにと思います。
こちらのシンポジウムは他にも2先生がご講演されました。
オキノ工業の 沖野 晃久博士
(タイトルページから少し下がった「ロボット入り口」が参考)
さんは「咀嚼とロボット工学ー開発と実用化」という内容でご講演くださいました。
HPを拝見しますと、本業としての工業部品作成のみならず、各種研究装置作成のお手伝いをされている会社を運営されています。
この分野では遠隔操作でのオペレーションなどに用いる操作+フィードバックという機械作成と、トレーニングや解析用としてのロボットモデルについてお話されています。
ついで3人目の演者は慶応大学理工学部電子工学科の青木 義満先生でした。
早稲田付属からの出身で、その後慶応で教鞭をとられているということで豊かな経験もお持ちの様子です。
内容としては各種三次元計測データを融合、統合し、活用するということで私がやってきた研究に重なるところが多い発表でした。
抄録の最後に「これからのWin-Winな医歯工連携のあり方などについても、当日議論できればと考えている」とお書きいただいているのですが、皆の熱弁が伸びてしまい、質疑応答の時間がほとんど取れなかったことは残念でした。
内容はまた次回に続きます