
イデアでは幼少期からのMFTが成長発育、歯列保定に非常に重要であることを説明しています。影響があることは知識として持っている歯科医はそれなりに多くいるものと期待していますが、その実践を行うとなるとなかなか大変なものです。
本人の努力だけではなく、ご家族の方の協力も必要ですし、「何回やったからこれだけ治る」とお約束できるような簡単なものではありません。がんばった以上に効果がある場合もありますが、なかなか期待通りに進まないこともあります。
さて、今回は当院の衛生士さんがセミナーに参加したときの内容をレポートしてくださいましたので、医院内用のスライドプレゼンテーションと一緒に載せさせていただきます(院内と異なり、静止画でごめんなさい。院内だといろんな動きもあってもっと面白いんですよ)。
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5月の下旬にMFT講習会に行ってきました。
当日は生憎の雨にもかかわらず、会場一杯となる30名が出席。歯科衛生士、助手そしてこれからMFTを取り入れようという歯科医師の方も3名いらっしゃいました。
講師の先生は山梨県で開業されている今村美穂先生とMFT専任スタッフ女性2名の方々でした。
今村先生はとても歯切れの良い話し方で、バリバリと仕事をされている雰囲気をお持ちの方でした。スタッフの方もテキパキと動かれていて、講習を受けていて気持ちが良いほどでした。さすが“MFT専任スタッフ”というかんじでした。
さて講習会は各医院の紹介から始まりました。驚いたことは、和歌山・山形・静岡など遠方から出席されている方が多かったのです。東京付近は私を含め2医院だけでした。MFTをこれから取り入れたいからと、病院長の命を受け出席されたスタッフ方や全員出席できないのでスタッフ代表で出席された方など様々でした。
では講習会の一部を紹介しましょう。
舌癖とは?

無意識時(テレビ・読書・ゲーム等何かに夢中なとき)に常に口が開いている ⇒ 舌が出てしまう。
噛むとき・飲み込むとき(多い人は1日2000回も出します)に舌が前のほうに出てしまい、上手に噛めなかったり、正しく飲み込めない ⇒ 歯列に影響

なぜ舌癖が?
口呼吸(扁桃腺・アデノイド・鼻炎・花粉症などで鼻呼吸ができない)
舌小帯(舌の裏のひも)が生まれつき短い
歯のすきま(虫歯や乳歯が抜け、生え変わり時期などすき間に舌を入れてそのすき間を広げてしまう)
指しゃぶりや口唇をかむ癖(3〜5才までに治さないと口が閉じにくくなり舌癖が強くなる)
姿勢が猫背(下顎が下がり口を開いてしまう)

舌癖が原因で・・・
出っ歯になる(口が閉じにくく、頬に力がない)
上の前歯と舌の前歯の間に隙間ができる(奥歯は噛んでいる)
左右均等に噛めない
咬み合わせが反対(上の前歯よあり舌の前歯が前に出ている)
発音に影響が出る(サ・タ・ナ・ラ行など舌足らずの発音)
例:つくえ → ちゅくえ
さかな → ちゃかな など

かむこと・飲み込むことに影響
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これらの異常や悪習慣を改善し、きちんと正しくできるようにすることがMFT(口腔筋機能療法)です。

ではどのようなトレーニングをすればよいのでしょうか?

1 ポッピング 舌を口蓋につけ、はじいて音を出す。
舌に力をつける。舌先を丸めない。
(♪カエルの歌♪ 1回で25回音を出すので1日5〜10回)
A 吸い上げ 舌全体を口蓋につける
舌全体を奥まで挙上する
(例:1回10×10)
B ベロ出し 舌をまっすぐ前に出す。その際、舌の側方に力を入れ細くする。
舌先が下がらないようにする(舌の前歯につかないように)
C イーウー イー 口角を上げる
ウー ローソクを消すように口を前方にいっぱい突き出す
(舌は口蓋にペッタリつけておく)
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5 ボタンプル ボタンにひもを通しボタンを歯と唇の間に入れ、ひもを引っ張る。
(目標は1kgの力まで引っ張れるように)
1日3回くらい 子供 → 朝、帰宅時、寝る前など
大人 → トイレ、車の中、ハミガキの前後など

特に子供の場合はゲーム感覚でやること!気分転換させながら行う。子供・親ともに話しをする。そして話しを聞く。つまりコミュニケーションをよくとりながら三者(子供・親・指導者)で行うことが大切です。

抜粋して紹介しましたが、ここで気づいたことは、すべて問う医院でも行っていることなのです。一人一人の患者様の症状、今はどこのトレーニングに重点をおけばいいのか?どんなトレーニングが必要なのか?と先生とスタッフがよく話し合い決めて患者様に伝えているのです。

講習会を受講して患者様にお伝えしているトレーニング1つ1つに確信と自信を持ち、これからも指導していけるという強い後押しをしてもらったように思えます。
以上、MFT受講体験レポートでした。
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手前味噌ながら、医院でこういったスライドが月替りで流れているということはすごいと思いました。
こういったスライドを交えながら時間をかけて説明なども行い、実際に根気よく説明してくれているスタッフがいなければなかなか子供の治療の成果をあげる事は難しいものです。
さて、ここまで読んでくださった皆さん、どうか当院のスタッフSさんならびにスライド職人ともなっているKさん、そして実際に努力と結果を得てくださっている患者さんならびにご家族の方に拍手をお願いします! パチパチパチ!
成長発育を補助することは医学的、論理的に非常に正しいことであり、長い目で見た場合かならず医療費の軽減を導けることは胸を張って説明が出来ます。
しかしながら「成果が上がらなかったら困るから、そんな治療方法は知らないことにして、否定してしまうほうが楽。」という考え方もあることは悲しいながらも現実です。
「どうせ後で抜歯したり、マルチブラケットつけるんだったら、お口のトレーニングなんかしなくっても関係ない」
本当ですか?
そのような効率だけを考える医学が主流となった場合、実際に導かれる結果は悲惨なものであることは容易に想像がつきませんか?
子供たちのそのまた子供たちが知識不足からあまりよくない生活環境を導いてしまわないように、皆さんできるだけ広い医学的視野を持ってください。将来の医学を支えるのは医療人ではありません。政治家でもありません。一人一人のものを言う患者さんたちが医療を選別し、適切な対価を評価することが大切だと思います。
ああ、また最後が熱くて重いでしょうか? すいません。
おわびに、パフュームがうたってくれているMFT応援ソングです
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そしてイデアのこともも応援してくれてます
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