新年となってから依頼を受けまして、「3Dの応用について」という内容で医局セミナーでの講演をさせていただいてきました。

私が大学を出て、矯正科に入り、どのような研究に携わったかと言うことから紹介をさせていただきました。
当時の三次元研究で用いていたパソコンの話、学会発表は最初は模造紙で発表していたが、だんだんパワーポイントに移行してきたことなどの昔話は新人医局員の方には「?」ということだったかもしれませんが、ベテランの先生方は「そうそう」と目をつぶってうなずいてくださっていました。
今回のセミナースライドも、当日の朝から準備したものでしたが、15−20年前でしたらスライド映写機で写すためのスライドフィルムは写真屋さんで現像してもらわなければなりませんでしたので、講演をするということはかなり手前から準備しなければできないものでした。それが今では個人がノートパソコンを持ち歩き、プロジェクターにつないでプレゼンを行ないます。移動中の電車の中でも原稿の修正を行なうことができます。
時代は移ろい、、、っていうほど何十年も立ってないのに、ここ15年のパソコン環境は目覚しく性能向上が為されています。昔、1000万円以上したUNIXのワークステーションの性能は、今では5万円のノートパソコンに劣っているでしょう。
医局セミナーと言うことでしたので、他の議題もあるならば手短に終わるように考えていたのですが、この日は時間いっぱい使ってよい状況であったようで、準備していた概略スライドはまず終了。
今回私をお呼びくださった不島先生は、新人医局員を育てていくにあたり、インダイレクトボンディングを利用することでより客観的な治療成果の習得を期待されているとのことでしたので、続いて去年の日矯のポスターデータを利用して、インダイレクトボンディングの方法の一例を紹介させていただきました

医局員の方々の半分以上は学会でお会いしている先生方でした。学会中にもこの治療方法にご興味を持ってくださっていた中堅の先生からもご質問をいただくなどしながら、時間いっぱい、到らないながらもお話をさせていただいてきました。
その後、教授室で不島 健持先生の今までの研究発表の中から、三次元分析に関するものの別刷りをお分けいただきました。
さらに、クリニック近くの居酒屋さんでお食事までいただいてしまいました。そのときのおまけの1枚
この日は1年目の先生3人とご一緒させていただきました。
「どうして矯正を選んだの?」「将来どんな治療をしたいの?」「夢は?」などなど、お互いにいろいろな質問が出てきました。
私が矯正を選んだ理由はいろいろあります。でも、最初に入ったときから、今ほどの理念があったわけではないでしょう。実際の治療に携わりながら、やはり患者さんを通じて社会を見て、自分が為すべき事についてイデアが徐々に形となってきたのではないかと、焼酎をいただきながら思い返しました。
若い先生方の今の夢も伺いましたが、私としてはその夢がそのままの形で実現するのではなく、経験をつんだ後でもっと違う形の夢を見出し、つねに次の夢を追い続けるような先生になってほしいとも思いました。